ヌーヴォーでお馴染みのボージョレ。深い歴史とヌーヴォーだけじゃないボージョレの魅力とは。
コラム | 2022年11月18日 | ワインソムリエ吉間
昨日17日に解禁になりましたね。2022年ボージョレ・ヌーヴォー。
日本でお馴染みのボージョレ地区ですが、ヌーヴォー以外もあります。
ぶどう品種、歴史なども合わせて少し書きたいと思います。
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コラム | 2022年11月18日 | ワインソムリエ吉間
昨日17日に解禁になりましたね。2022年ボージョレ・ヌーヴォー。
日本でお馴染みのボージョレ地区ですが、ヌーヴォー以外もあります。
ぶどう品種、歴史なども合わせて少し書きたいと思います。
フランス・ブルゴーニュ地方でも南に位置し、
コート・ドールから南のコート・シャロネーズ地区、マコネ地区のさらに南、美食の街リヨンまで続く約55kmの地区です。
主に赤ワインを生産しぶどう品種はガメイ種です。
ピュリニー・モンラッシェの近くにガメイという名前の村があり、その村名から取られたと言われています。
自らの村名を名乗れる10のA.O.Cをクリュ・デュ・ボージョレと呼び、その周りにボージョレ・ヴィラージュがあります。
なぜ品種がブルゴーニュ地方なのにピノ・ノワール種ではなく、ガメイなのか?
その理由は“歴史と大地”に関係します。
歴史を遡ること約630年前、その時代にはブルゴーニュ地方全域にはガメイ種が主に栽培されていました。
1395年にブルゴーニュ公国の君主フィリップ・ル・アルディがコート・ドールにガメイ種を植えてはいけないお触れを出します。
その変わりにピノ・ノワール種が植えられました。
ピノ・ノワールの方が高貴とされたのが理由で、元々はガメイ種があり、歴史的理由でボージョレ地区をメインに栽培に変わったのが理由のひとつです。
コート・ドール地区に全く栽培されていないわけでは無く、ピノ・ノワール種とブレンドされ、ブルゴーニュ・パストゥグランとして販売されたりします。
なぜボージョレ地区にガメイ種は残り繁栄したのか? それは大地(土壌)に関係します。
ガメイ種に適した土壌は花崗岩質地帯。北部にあるクリュ・デュ・ボージョレなどがある場所も花崗岩質の為、非常に適しています。
花崗岩質は石英と長石で出来た硬い岩盤ですが、やわからでバランスの取れたぶどうに育ち香り高いワインを造ります。
コート・ドール全体はジュラ紀石灰岩土壌や泥灰岩質、前記はエレガントで爽やかな酸味を生み、後記は豊富な養分と有機質、ミネラルを含むワインを造ります。
ガメイ種は早期に発芽し成熟するため、コート・ドールの土壌ですと豊産になり過ぎます。
果皮も薄く果粒は大きい為、果皮や種子に対して果汁の比率が高くなり、ワイン自体に旨味や味わいや香りが乏しくなります。
厳しい岩盤で華やかに育つ為には、今のボージョレ地区が適していたことが、そのまま残った理由のひとつです。
ブルゴーニュ地方でのブドウ栽培は1700~2000年とも言われています。
歴史の紆余曲折の中で、順応し根付いたぶどう品種です。
ちなみに、“ボージョレ”と“ボジョレー”どう違うの?これ一緒です。フランス語の発音をどう取るかの違いです。
ソムリエ協会の教本には“ボージョレ”と記載しており、弊社もこれにあわせています。
先日、クリュ・デュ・ボージョレの生産者、ドメーヌ・ド・ボワシャンのアントワーヌ・ロメロ氏にお会いしました。
お話の中で、クリュ・デュ・ボージョレはヌーヴォーとは別ワインであることや、10のクリュ・デュ・ボージョレの土壌の違い、ヌーヴォーには無い樽発酵や全房発酵など、色々勉強になりました。
ボージョレの白ワインもありました。全体の2%ほどしか造ってないようです。
クリマのサイトでも今後お勧めのクリュ・デュ・ボージョレを取り扱っていきたいと考えています。
もしご興味があれば、クリュ・デュ・ボージョレを味わってみて下さい。
新酒を楽しむヌーヴォーとは違うボージョレがお楽しみ頂けると思います。