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シャブリ地区は、なぜブルゴーニュ地方に含まれる?

シャブリ地区は、なぜブルゴーニュ地方に含まれる?

コラム | 2022年11月25日 | ワインソムリエ吉間

ワインを勉強していると必ずフランスワインも勉強しますが、辛口の代名詞シャブリ地区はなぜブルゴーニュ地方に含まれるのか?
ぽつんと離れている理由ご存知でしょうか。
パリにより近く、何ならロワール地方の方が近いのではと思う地図関係ですがブルゴーニュ地方?
なぜ?少し勉強したいと思います。

ジョセフ・ドルーアンが持つ畑。町とスラン川を中心に畑が広がります。

“フィロキセラ”

シャブリ地区が離れた地区になったその理由に、フィロキセラが関係します。
1863年フランスで見つかり、世界で猛威を振るったフィロキセラ(ブドウネアブラムシ)フランス、ブルゴーニュ地方も大打撃を受けます。
シャブリ地区は今の地域よりはるか大きく、ブルゴーニュ地方北部全域で栽培していました。
パリへの流通もあり順調だったワイン産地が、フィロキセラの影響にてシャブリ地区も深刻な状態になります。
そのタイミングでパリへの電車が開通、南フランスのワインがパリへと流れていきます。
全域の植替えには費用がかかり、安価なワインは南フランスワインもパリへ流通している・・・
残念ながらほとんどの土地が、フィロキセラと関係ないお金になる作物へと変わっていきます。

ぶどうの芽が氷点下の気温から守るのに、水を撒き、芽を氷で覆う逆転の発想

“栽培地区を一箇所に”

残った生産者は、より上質なシャブリ・ワインを造るために生産地を限定し、スラン川を挟む両岸をメインに栽培を集中させます。
スラン川右岸には7つのグラン・クリュ、両岸には40クリマあるプルミエ・クリュなど世界的にも名声ある地域になっていきます。
この事もあり、つながっていたブルゴーニュ地方が、シャブリの栽培地域を減少させたことによって、離れ小島のようになった理由です。

芽が出始める春先は最も注意が必要 伝統的な焚き火

“厳しい環境”

シャブリ地区は非常に冷涼な地域です。
霜の被害にあわないように、あえて凍らせたり、夜中に火を起こして寒さを防いだり、大地と向き合う生産者。1度のミスが1年のぶどう栽培に影響します。
世界的危機で生き残った生産者と地域のワインが美味しくない訳がない!!
今や“辛口のシャブリ”だけでは言い表せないほど、多種多様なシャブリがあります。
次のコラムで、シャブリの奥深さを書きたいと思います。

顔写真

シニアソムリエ 吉間 崇行

JSA認定シニアソムリエ
HRS認定1級レストランサービス技能士
HRSテーブルマナー認定講師(西洋)
元ホテル阪急インターナショナル スペシャリティレストラン 「マルメゾン」マネージャー
2016年に地元神戸にてレストラン エスピスをオープン。マネージャー兼ソムリエとして勤務。現在に至る。