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実はすごい!白ワインの代名詞「シャブリ」その奥深さに迫る。

実はすごい!白ワインの代名詞「シャブリ」その奥深さに迫る。

コラム | 2022年12月2日 | ワインソムリエ吉間

フランス・ブルゴーニュ地方の最北端に位置し、日本でも辛口の代名詞とも言える不動の名声のシャブリですが、シャブリはどれも同じと思っている方が多いのではないしょうか。
ドライですっきり、夏場にキンキンに冷やして飲むイメージがついているのでは?
シャブリは様々な味わいがあり奥深いワインなんです!
前回コラムにてシャブリの勉強をしましたが、今回はシャブリワインをもう少し深く書きたいと思います。

石灰岩がゴロゴロ。

“シャブリの土壌”

シャブリ地区は白ワインの産地で品種はシャルドネ種です。
シャブリの赤ワインは有りませんのでお間違いないように。
※サン・ブリやイランシーなどシャブリ地区横のグラン・オーセロワ地区ではソーヴィニヨン・ブラン種やピノ・ノワール種の赤ワインなどを主体とするワインを産出しています。
シャブリの土壌はジュラ紀後期に形成された粘土石灰質でキンメリッジ階、チトヌス階に大きく分けられ 前記にはグラン・クリュやプルミエ・クリュが中心、後記はプティ・シャブリが中心の土壌です。
簡単に書きますと、元は海の底で、アンモナイトや牡蠣などの貝類が出てくる白くて硬い石灰岩がある土壌。
ワインがミネラル豊富で辛口が多いですが、直接関係あるかはまだ不明のようです。

北側から見下ろしたグラン・クリュ。手前が2つの斜面があるヴォーデジールから円状奥側の小さなグルヌイユ、その奥にヴァルミュールと広大な南西向きのレ・クロが広がります。町の中にある木々の間にスラン川が流れています。

“シャブリの格付け”

シャブリ地区はスラン川の両岸にぶどう畑が広がり、町の北側(スラン川右岸)にグラン・クリュが7クリマ(+1クリマ)あり、町を見下ろす南南東を向いた斜面に横並び広がっています。
プルミエ・クリュが40クリマあり地区内の20の村各所に点在します。
ですので、プルミエ・クリュは町より南(スラン川左岸)にもあれば、グラン・クリュ横や、さらに北側など様々の為、味わいも全く違います。
この格付畑は、すっきり辛口だけで言い表せないほど味わい深く、もちろん辛口ですが、複雑な香りと口に入れると旨味が広がるようなワインが多数あります。
プルミエ・クリュの周りに一番多いA.Cシャブリと、さらにその周りに土壌が違うプティ・シャブリがあります。

協同組合ラ・シャブリジェンヌ。

“シャブリの生産者”

コート・ドールと同じようにクリマが存在し、区画ごとに味わいが違いますが、この狭い地域に約300の生産者がいます。
生産量の3分の1がこの約300の生産者、あと3分の1が他のブルゴーニュ地区でのネゴシアン生産者、残り3分の1がシャブリの協同組合“ラ・シャブリジェンヌ”によって販売されます。
生産者違いから醸造方法の違いや樽熟成の有無、畑違いから土壌や格付けの違い、ヴィンテージ違いなど様々な味わいがあるワインは、同じ品種のシャブリもひと括りには出来ないのです。

“シャブリの奥深さ”

また安価なワインのイメージが付いていますが、気軽に楽しんでもらえる価格から、手に入らないシャブリもあり、高額なシャブリも多数あります。
世界最大のワイン検索サイトには“世界で最もお買い得なブルゴーニュ”トップ10銘柄を発表し、シャブリ生産者が9銘柄を占めたそうです。
シャブリ輸出国、第三位が日本です。日本におけるブルゴーニュワインの2本に1本がシャブリ。日本人は今もシャブリが好きです。
キンキンに冷やして夏に飲むシャブリも美味しですが、秋や冬場の根菜類、お肉なら豚シンプルに焼いた豚肉に、熟成や樽の効いたシャブリは非常にオススメです。
岩手県のプラチナポーク(白金豚)にも上品なお肉の脂が、ドライで樽の香り豊かなシャブリとピッタリでした。
夏場に冷やして気軽に飲めるプティ・シャブリからACシャブリ、レストランや味わってゆっくり飲みたい、グラン・クリュやプルミエ・クリュのワインなど、T.P.Oに合わせてお好みの1本を見つけてみては如何でしょうか。
シャブリに奥深さを味わって下さい。

顔写真

シニアソムリエ 吉間 崇行

JSA認定シニアソムリエ
HRS認定1級レストランサービス技能士
HRSテーブルマナー認定講師(西洋)
元ホテル阪急インターナショナル スペシャリティレストラン 「マルメゾン」マネージャー
2016年に地元神戸にてレストラン エスピスをオープン。マネージャー兼ソムリエとして勤務。現在に至る。