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ブルゴーニュワインのクリマ誕生と歴史をちょっとだけよ~

ブルゴーニュワインの歴史をちょっとだけよ~

コラム | 2022年8月19日 | ワインソムリエ吉間

ブルゴーニュワインを飲む前に、少しだけ歴史を知れば、
また違う目線でワインを楽しめるのではと思い、チョットだけうんちくを書こうと思います。

シトー会と密接な関係のクロ・ド・ヴージョ

ブルゴーニュワイン誕生

ブルゴーニュの地で、葡萄栽培に関する文字による記録で残っているのは紀元312年、
葡萄栽培が始まったのはそれよりはるか以前と考えると、
ブルゴーニュのぶどう歴史はおよそ1700年以上の歴史があることになります。
(本によっては2000年と記載もあり)
現在のブルゴーニュワインの地位も、長い歴史と時間をかけて確立されたのではないでしょうか。

ブルゴーニュワインに欠かせない修道院

私達が今日知っている歴史は、ベネディクト派のクリュニィ会(909年設立)と
シトー会(1098年設立)の両修道院が設立されたことが、ワイン造りに大きくかかわってきます。
彼らは場所により個性の異なるワインが生まれることを見抜き、雨風の流れ、大地、畑などを識別し、
クロ・ド・ヴージョ(1115年)やクロ・ド・タール(1140年)など今日の銘醸畑を築いていきます。
1363年にヴァロワ王家のフィリップ・ル・アルディ(フィリップ豪胆公)がブルゴーニュ公爵となり以降4代続きます。
公国はその版図を北方フランドル地方(現在のベルギー地方)やオランダまで伸ばし繁栄していきました。

石垣で囲まれたモンラッシェ グラン・クリュ

Climats“クリマ”が誕生 世界遺産へ

修道院の力が衰退するにつれ、有力な貴族が畑を取得していきます。
(1760年のコンテ公ルイ・フランソワ・ブルボンによる、後にロマネ・コンティと呼ばれる畑の取得など)
フランス革命により多くの畑が国有化され、その後に富裕層を中心に売却、所有者の相続、売却が繰り返されてさらに細分化していきます。
そして1935年のA.O.C法の制定時には多くのクリマが認定されていきます。
クリマとは、「明確に限定された土地の区画」のこと、長いワインの歴史で、
人々がこの地域の極めて特有な土壌、気候を人の手により、明確にモザイク様に区分されたぶどう畑です。
ブルゴーニュの歴史を刻み、多様性を生み出したブルゴーニュのクリマは、2015年にユネスコ世界遺産に登録されています。

ブルゴーニュワインと言えば、ピノ・ノワール種・シャルドネ種

元々ブルゴーニュワインは、ボージョレ・ヌーヴォーで有名なガメイ種が主流でした。
しかし、1395年ブルゴーニュ・コート・ドールの土地に収穫量が多くなり、
凡庸なワインしか産み出さない理由などでガメイ種を植えることを禁じ、
この事もありピノ・ノワール種が主流になります。
この歴史の転換期を繰り返し、そこに生産者や自然(ヴィンテージ)なども加えていくと、
果皮が薄く、病気にもなりやすく繊細であり、無理に大きく育てると果皮が破けるぶどうを、
より丁寧に、より求めて行くことで、あの華やかなフレーバー、
複雑でありながら深みのあるぶどう“ピノ・ノワール種”に辿り着いたのではないでしょか。
白ワインの “シャルドネ種”はブルゴーニュ地方が発祥と言われています。
熟したときこそ繊細さをみせ、香りと深みのある味わいの中に旨味(ミネラル)や余韻など、世界中で生産されていますが、 バランスが取れているのはやはりブルゴーニュではないでしょうか。
深い歴史を思いながら、お好みのワイン・生産者をゆっくり味わって見て下さい。

顔写真

シニアソムリエ 吉間 崇行

JSA認定シニアソムリエ
HRS認定1級レストランサービス技能士
HRSテーブルマナー認定講師(西洋)
元ホテル阪急インターナショナル スペシャリティレストラン 「マルメゾン」マネージャー
2016年に地元神戸にてレストラン エスピスをオープン。マネージャー兼ソムリエとして勤務。現在に至る。