メゾン・ジョゼフ・ドルーアンの地下カーヴへ潜入レポート。
コラム | 2023年12月1日 | ソムリエ吉間
ジョゼフ・ドルーアンのインポーターでもある三国ワイン様のお声がけで、9月末に弊社スタッフが現地を訪問してきました。
フランス滞在経験のあるスタッフだけに、しっかりコミュニケーションが取れ、充実した時間だったようです。
今回は、すごく長いレポートから一部、地下カーヴとテイスティングルームの話を抜粋し、2回に分けてご紹介したいと思います。
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コラム | 2023年12月1日 | ソムリエ吉間
ジョゼフ・ドルーアンのインポーターでもある三国ワイン様のお声がけで、9月末に弊社スタッフが現地を訪問してきました。
フランス滞在経験のあるスタッフだけに、しっかりコミュニケーションが取れ、充実した時間だったようです。
今回は、すごく長いレポートから一部、地下カーヴとテイスティングルームの話を抜粋し、2回に分けてご紹介したいと思います。
2日目はボーヌ中心地に本社を構えるジョセフ・ドルーアンの地下カーヴの見学へ。
12世紀に建てられたノートルダム教会のすぐ近くにドルーアンのブティックがあり、カーヴは最終的にそこへと繋がっています。
時間の都合で、全部は味わえませんでしたが、細い路地に入った本社入口、受付にご挨拶をして地下に続く階段へ。
最低限のライトに灯されたカーヴは暗く、ひんやりとした空気と相まって荘厳さを感じます。
まずシリルさんが案内してくれたのは、マール・ド・ブルゴーニュの樽。
『是非、素晴らしい香りを嗅いでみてください。まるでシャネルの5番ですよ。』
茶目っ気たっぷりのシリルさんのコメントに笑いながら、実際にアロマを体験。
複雑で甘やか、奥深く官能的な香りが鼻孔をくすぐります。
『これは確かにシャネルの5番ですね!』思わず、感嘆の声が漏れました。
地下カーヴはブルゴーニュ公国が所有していた部分です。
すぐ近くにあるノートルダム教会が使用していた箇所等、元々は別々のカーヴとしてボーヌの街の地下に存在していたもの。
それをドルーアン家が購入後に壁を取り除いてそれらを繋げました。
それ故に、中は迷路のように入り組んでおり、天井の低い場所や高い場所、井戸のある部屋や広々としたスペースまで多様な様式が見られます。
第二次世界大戦中の反ドイツのレジスタンス運動に参加していた二代目モーリス・ドルーアンが、ナチスの追手から逃れたという扉もカーヴには残されていました。
『私達はこの扉を“自由への扉”と今でも呼んでいます。モーリスはここからこっそりと地上へと逃れました。
出口はドルーアン本社近くに通じており、そこからモーリスは走ってオスピス・ド・ボーヌへ。オスピス・ド・ボーヌは隠し部屋にモーリスを匿ってくれたのです。』
カーヴには戦前にまで遡る古いボトルを含む、希少なワインが多数保管されています。
戦時中にドルーアン家ではこのカーヴに壁を作り、大切なワイン達が見つからないように隠したそうです。
ドルーアン家の歩み、さらにはボーヌの街の歴史までも刻みこんだ地下カーヴ。
1970年頃までは醸造設備を併設、熟成庫としても実際に稼働させていましたが、一部のボトル、樽を残し、街の郊外へ醸造所と貯蔵設備を移設。
現在、訪れる人を静かに迎えるこの場所はフランスの歴史的建造物として登録されています。
後編 テイスティングルームへと続く。