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ブルゴーニュワイン当たり年、ヴィンテージとは。

ブルゴーニュワインの当たり年、ヴィンテージとは。

コラム | 2023年1月6日 | ワインソムリエ吉間

ワイン用語で、ヴィンテージってご存知でしょうか。
ワインがお好きな方ならヴィンテージを気にする方が多いのが事実です。
日本では、ヴィンテージと言うと長く熟成された、プレミアムの付いた意味で使われたりしますが、ワインではぶどうの収穫年の事を指します。

“ヴィンテージチャート”

基本、ワインはその年に生産されたぶどうで造られますが、ワインは農産物のため、その年の気候が大きく左右します。(フランスではシャンパーニュのみ複数年ブレンドが許可されています)
ヴィンテージの評価は、主に天候に左右されます。
ぶどうは農作物の為、年間通しての日射量や雨量が非常に大事です。生産者は常に畑に出て行きぶどうを観察し育てています。
そこに病害、霜や雹などの天災が起こるタイミングで、ぶどうが落ちたり腐敗するなど、ぶどうの被害が大きくなります。
また、ブルゴーニュで使われるピノ・ノワール種は特に繊細で影響が出やすく難しい品種です。
その気候などを踏まえて、当たり年や難しい年などで評価したものが、「ヴィンテージチャート」と呼ばれているものです。
クリマでは、独自の評価によりチャートを作成、その年ごとのワインを選べるようになっています。

“ブルゴーニュワインの当たり年”

ブルゴーニュワインの当たり年と一言でいっても、実はブルゴーニュの中でもさらに細かく地域ごとに評価が分かれており、ワインを選ぶ1つの材料となっています。
その中で例年にない良いぶどう、ワインが出来た年、俗にいう「グレート・ヴィンテージ(当たり年)」があります。

赤ワイン 白ワイン
1996年 1996年
2005年 2002年
2009年 2010年
2010年 2014年
2015年 2017年
2019年

(チャート表によって異なります)
醸造方法など機械化され製造が安定出来る方法が増えていますが、温暖化や季節外れの雨や気温の変化の影響で、当たり年と呼ばれる年は昔に比べて減っているように思われます。
最近の2020年、2021年、2022年は自然の驚異、コロナの影響で質のいいワインが出来ても、コスト増加により値段が倍になっているワインもあります。
秋刀魚やサーモンなど、当たり前に安価で手に入っていた魚が、高級魚になっていくように、ワインも気候変動、輸入量の減少で希少ワインが増えると思われます。昨年のボージョレ・ヌーヴォーがいい例でした。

“余談”

様々な評価がある中で、ワインを造る生産者はどの年もぶどうを手塩にかけて栽培しています。
生産量が少ない年でもぶどう栽培、醸造にかける時間は同じと聞いています。
余談ですが、約20年前に私が上司と中国料理を食べながら、 ドメーヌ・デュジャックのクロ・ド・ラ・ロシュを頂きました。ヴィンテージは1992年でした。
上司があえて選んだ92年のワイン。そこには芳醇な香りと、熟成し始めた優しい深みの中に、ほんのり残るスパイスの味わいが中国料理の醤(ジャン)を使った料理にすごくマリアージュしたのを今でも覚えています。
1992年はブルゴーニュのコート・ド・ニュイ赤はあまり評価がいい年ではありませんが、自分の中でその評価が崩れたのも確かです。
全てがそうとは限りませんが、評価が高くないヴィンテージのワインでも、その年の味わい、生産者の思いがそこにあるのではと思いました。
評価に左右されずに、その年のワインの味わいを楽しむのもいいのではないでしょうか。
きっと新しい発見があると思います。