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ワインのコルク

ワインのコルク

コラム | 2024年3月22日 | ソムリエ吉間

ワインの栓と言えば、コルクですよね。
スムーズに開ける姿は、ひとつのパフォーマンスになりますよね。
余談ですが、私がレストランで抜栓する際は、出来るだけ時間をかけずに抜栓することを意識してました。
お客様が飲みたいワイン。お客様の手が震えださないように(冗談ですが、、)会話を切らないタイミングで、丁寧かつスマートにを心がけて。

コルクの話に戻りまして。
南半球のワインはスクリューキャップが多くなっていますが、 やはりフランスをはじめ、ヨーロッパはまだまだコルクを使っているワイン(生産者)が多いです。
では、コルクとは一体??

コルクは樫の樹皮

コルクは、ポルトガルを中心に地中海沿岸の限られた地域に群生する、コルク樫の外側の樹皮を採取したものです。
ワインだけでなく、自動車や電機、食品用包装容器など様々な用途で使われています。

コルクは一般の木材と違い、無数の非常に小さな空気を含んだ独立細胞からなっています。
植物性繊維質ではなく、微細な細胞(1平方cmあたり2~4千万個)の集合体と気孔でできています。

約4,000年前にはギリシャでは使用されていたとも言われていますが、
やはりガラス瓶が普及され、コルクで栓をすることで密閉度が上がったのが、世界へ広まったきっかけではないでしょうか。
日本でも明治時代の半ばには天然コルクの製造が始まっていたようです。

コルクの利点“密閉度”

コルクは圧縮することで、外部からの空気を遮断するので酸化を防ぎ保存に有効です。
高級ワイン(ボルドー5大シャトーやブルゴーニュの一部グラン・クリュなど)はコルクが通常より長いので、もし開ける機会があればお気をつけください。
ソムリエナイフのスクリューが足りなく、コルクが折れることがあります。
シャンパーニュのコルクは、3つに別れてますので、機会があればよーく見てみてくださいね。(箇所によって弾力が違います)

コルクの弱点“ブショネ”

そんなコルクも“ブショネ”と言う問題点もあります。
コルク樫の細菌と消毒時の塩素によって、コルク栓が汚染され、嫌な香りとワイン自体の味が変わってしまうことがあります。
意外と多く、ブショネの対処法は、非常に難しいのが現実です。
消費者からは、ワインを開けるまで実際わからない。私も残念ながらわかりません。
もし香りがおかしい、味わいに果実味がなく、苦味が強いなど、前に飲んだときと全然違うなど 味わいがおかしいと思えば、購入先に確認するのが最良かと思います。

コルク VS スクリューキャップ

現在、様々な栓が出てきています。
天然樹皮コルクから人工樹脂コルク、ガラス栓などあります。
コルクに次いで多いのが、南半球で主流となっているスクリューキャップ。
抜栓が楽で、ソムリエナイフが無くても気軽に飲めるのが利点です。
ちょっと安く見える!?、高級ワインには不向き!?など色々意見もあります。

こんな結果もありました。
熟成、味わいに違いがでるのか?
オーストラリアの同ワイン、同ヴィンテージのワインで、コルク栓とスクリューキャップの2種類のワインを製造。
約10年後、コルクの方が熟成感が強く、万人うけと言うより熟成ワインがお好きな方への魅力的な味わいに変わったようです。
逆にスクリューキャップの方が、わかりやすい味わいで熟成速度はゆっくりだったようです。
30年、40年熟成したスクリューキャップのワインを飲んでみたいですね。

開けやすく、ブショネのリスクが少なくなるので、スクリューキャップも魅力的ですが、 やはりソムリエの立場から言いますと、コルク栓は残っていて欲しい気持ちです。
仕事が無くなるので、、(笑)
次回は、その“コルク抜栓の仕方とちょっとしたポイント”を書きたいと思います。

顔写真

シニアソムリエ 吉間 崇行

JSA認定シニアソムリエ
HRS認定1級レストランサービス技能士
HRSテーブルマナー認定講師(西洋)
元ホテル阪急インターナショナル スペシャリティレストラン 「マルメゾン」マネージャー
2016年に地元神戸にてレストラン エスピスをオープン。マネージャー兼ソムリエとして勤務。現在に至る。