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ブルゴーニュグラスはなぜ横に大きい?味わいの違いとグラスの選び方

“ブルゴーニュグラスはなぜ横に大きい?味わいの違いとグラスの選び方”

コラム | 2022年9月23日 | ワインソムリエ吉間

ワインを飲む際に必ず必要になるのがワイングラスです。
でも、なぜコップじゃダメなの?ワインによって形が変わるグラスをどう選べばいいの?
など、疑問が多いと思います。
正直これだけの世の中にあるワインに、それぞれ合うグラスを選んでいては家中ワイングラスの収納に困ります。
大きくまとめると3~4種類あれば十分です。
①シャンパーニュ・グラス ガスの入ったスパークリング・ワイン用の細長いグラス(泡が消えにくい形状)
②小ぶりの万能グラス 白、赤、ロゼ問わず気軽に飲めるワイン用
③大きめの赤ワイン用グラス 赤ワイン中心のワイン用
④その中の大きめの赤ワイングラスを2つに分けると、ボルドー・グラスとブルゴーニュ・グラスに分かれます
今回はブルゴーニュ・グラスをピックアップします。

ワインの種類、ぶどう品種によって様々なグラスがあります

バーガンディグラス

ブルゴーニュ・グラスは名前の通りフランス・ブルゴーニュ地方のワイン用に造られたグラス、
英語表記でバーガンディ・グラスとも言われます。
形は金魚鉢のように横に大きく球体のようで、口元が萎んでいます。
ブルゴーニュ・ワインの赤ワインはピノ・ノワール種が主体です。
単体で使用され、ぶどう品種と生産者、畑やヴィンテージの要素がダイレクトに味わいと香りに出ます。
しかもピノ・ノワール種は繊細で、生産自体も難しい品種です。今は増えましたが、ブルゴーニュ地方以外でこの品種の生産がなかなか増えなかったのもその理由です。

スワリングはゆっくりと香りを広げて。廻し過ぎに注意!

なぜ横に大きい?理由は、

味わいも、渋いフルボディでは無く、繊細で華やか、そして香水のような優しい香りや味わいですので、
グラスの形状も香りを逃さないように、口元が小さくなっています。
ワインは空気に触れると味わい等が変化していきますので、グラスの口元を小さくし、
グラスの中に入る空気を制限し、
スワリング(グラスを廻して香り等を出す方法)しても一定の空気で香りを滞留させ味わいを引き出せる形なんです。

形が違うもうひとつの理由

形の違う理由のもうひとつに、飲み手の口当たりの違いも挙げられます。
ブルゴーニュ・グラスは最大径と口元の口径にかなりの差があります。
グラスを大きく傾けないと飲めない仕組みですので、傾けるので口の中に流れるワインも早くなります。
その分、口の中全体にいっきに広がり酸味のフレッシュさ、温度変化を防ぎ、香りと味わいを広げてくれます。
ブルゴーニュ・グラスは赤だけではなく白ワインにも使えます。
ブルゴーニュ地方はシャルドネ種も有名ですよね。
フレッシュな白ワインなら小ぶりでも大丈夫ですが、高額な白ワインや樽熟成したような複雑さを伴う白ワインなら、
このグラスを使って空気に触れさせて香りを引き出してあげる、温度をあえて上げて熟成の変化を楽しむ事も出来ます。
あまりスワリングしすぎると、香りが飛んでしまい、より空気が触れるため酸化、劣化する事がありますので、廻し過ぎにはご注意下さい。
レストランでは、このグラス選びもワインをお客様に楽しんでもらう要素のひとつです。
ソムリエの腕の見せ所と言ってもいいので、一度注目してみて下さい。

顔写真

シニアソムリエ 吉間 崇行

JSA認定シニアソムリエ
HRS認定1級レストランサービス技能士
HRSテーブルマナー認定講師(西洋)
元ホテル阪急インターナショナル スペシャリティレストラン 「マルメゾン」マネージャー
2016年に地元神戸にてレストラン エスピスをオープン。マネージャー兼ソムリエとして勤務。現在に至る。