ブルゴーニュ日本人女性醸造家 栗山明子氏とのシャントレーヴワインセミナー「ラベルとアリゴテ」
コラム | 2024年1月26日 | ソムリエ吉間
先週に続き、シャントレーヴの栗山女史とギョーム・ボット氏とのセミナーの内容を書きたいと思います。
前回は、セミナーのメインとなる「土づくり」を話を書きましたが、今回は「ラベル」と「アリゴテ」のお話。
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コラム | 2024年1月26日 | ソムリエ吉間
先週に続き、シャントレーヴの栗山女史とギョーム・ボット氏とのセミナーの内容を書きたいと思います。
前回は、セミナーのメインとなる「土づくり」を話を書きましたが、今回は「ラベル」と「アリゴテ」のお話。
まず、セミナーにて5種類のシャントレーヴ2021年のワインを試飲しました。
出す順番は、赤ワイン3種類を先に、その後に白ワイン2種類でした。
赤ワインを先に出す理由として、栗山さんは、
「白ワインを先に試飲すると酸味とミネラル感が口の中に広がってしまし、後に飲む赤ワインのタンニンや苦味などを強く感じてしまいます。
蔵元での試飲など現地では必ず赤ワインから出します。」と話してくれました。
また、今回5番目にアリゴテだったのですが、やはりお二人にとっての思い入れがある最初に造ったワインがアリゴテです。
自身を持って最後に出したい。との思いもあるとおっしゃってました。
セミナーワインは希少な為、まだほとんど未入荷です。、本日割当てが決まりましたので近日中に入荷予定。
テイスティングコメント等は個別のワインページに記載させてもらいます。
アリゴテの話は後ほど。
セミナー中に質問タイムがあったのですが私から2つさせてもらいました。
まず、やはり一新したラベルの件で質問させてもらいました。
~2020年からラベルを一新されましたが、その経緯やラベルについて教えて頂けますか~
「2010年からにギョーム・ボット氏とネゴシアンとしてスタートさせましたが、親から引き継いだ畑があるわけでもなく、ブルゴーニュでは新参者。
派手なラベルにせず、まずはブルゴーニュの伝統にリスペクトしながら、自分たちのワインを造ります。と言うメッセージも込めて、友人のグラフィックデザイナーに作ってもらったラベルです。」
~2020年に変更された経緯は~
「10年目の節目に変えたいなと思っており、(ドメーヌとして畑も買い足して半分以上がドメーヌワインとして販売出来るようになった)
そのタイミングで、友人の新しい生産者がすごく素敵なラベルを作っていました。
その友人に紹介してもらい、ジュラに拠点を置く女性のアーティストさんにお願いすることにしました。」
お願いした理由のひとつに、彼女の作品がすごく生き生きとした生命力のある作品が多く、自分たちが造りたいワインと共感出来たのも理由と話てくれました。
ドメーヌや横に流れる小川や草木、2人の思いを伝えて、6つほど候補を出してもらって作り上げたラベル。
確かに、ワインによってラベルが異なり、味わいやお二人の思いが伝わるラベルに思えます。
アリゴテについて。
ラベルの質問と別にもう一つアリゴテについて質問しました。
コロナの終息でドメーヌの方々が多く来日されてきてますが、皆さんアリゴテについて必ず語ってくれます。
また最近のNEWドメーヌや若き生産者はどれもアリゴテを造っていると感じます。
お二人にとって、アリゴテは特別なブドウとは思いますが、今のブルゴーニュ全体でアリゴテについて教えて頂けますか。
「アリゴテは標高の高い畑で今も多く栽培されています。以前は、気温が上がらない標高の畑ですので、酸が強く、有名ドメーヌも売れないからと言って、ほとんどがクレマンの生産者やネゴスにに売っている状態でした。
近年の異常な気候変動、温暖化になり、実際ブドウが熟すことが出来て、アリゴテを売らずに自らワインにするドメーヌが増えています。
作付面積が元々大きいアリゴテは簡単に値上がりしにくいのも造り手が増えている理由の一つかもしれません。」
「また、温暖化でシャルドネが今までと同じ栽培や醸造ではできなくなった。収穫の時期も早くなり期間も短く、収穫が遅くなれば酸が落ちてしまう。
アリゴテ種は病気に強く、樹勢が強いのが特徴です。昔はそれは栽培しにくく、いいブドウが出来ないとされていました。
ですが、アリゴテはシャルドネと違って糖度がゆっくり上がる。アルコール度数が13%を超えることがない。また、シャルドネと違って“待てる”ブドウです。
酸が強いので、醸造がしやすいのも特徴です。」
「またシャントレーヴは、アリゴトゥールというアソシエーション(クラブ)に参加しており、アリゴテに力を入れている7つ生産者が中心となって、アリゴテをたくさん置いている地元のレストランと起ち上げています。
地元やパリでアリゴテの試飲会など行っています。
ちょうどコロナの前からなので、6年ぐらい前から行っています。」
アリゴテで尊敬できる生産者の質問に“シルヴァン・バタイユ”と即答でした。
家族経営が多く、伝統のあるドメーヌが多いブルゴーニュワインですが、
ワインが好きで、造りたいワインがここブルゴーニュにあるとの2人の思いが、この14年でカタチになっていると思いました。
日本人らしくと言えば語弊があるかもしれませんが、土台となる土づくりから、栽培方法など細かく繊細に、その中で気候変動に対応出来る、さらなる挑戦も行っており、
常に進化してるとも感じました。
栗山さんが、お話されているギョーム・ボット氏を見つめているにこやかな姿も印象的でした。
今のブルゴーニュを感じれた2時間。
是非、今のシャントレーヴを味わってみてください。
お二人の優しさとエネルギーを感じれるワインです。