ジャック・フレデリック・ミュニエ / Jacques Frederic Mugnier
ギド・デ・メイユール・ヴァン・ド・フランス2024年4つ星生産者。香り高きワインを生むシャンボール・ミュジニーの名手。
ドメーヌの歴史
1863年から続くドメーヌに現5代目当主のフレデリック・ミュニエはスイスで生まれ、石油関連のエンジニアとして世界を飛び回り、定期便のパイロットとしても活躍。
ドメーヌが所有する珠玉のクリマは1889年、リキュールメーカーを経営していた曽祖父のフレデリックが、モレ・モンジュ家から購入したものです。
しかし、父の代まではワイン造りに直接関与せず、これらの畑はすべて他の造り手に貸し出されていました。
その契約が85年に切れるのを機に、フレデリックはワインの世界に身を投じる決意をします。
ボーヌの醸造学校でワイン造りの基礎を学び、隣人のクリストフ・ルーミエやヴォルネイのミシェル・ラファルジュに指導を仰ぎました。
栽培と醸造
ブドウ栽培はビオロジックに限りなく近く、除草剤、殺虫剤の散布はなし。
必要に応じてベト病対策の薬品をわずかにスプレーするのみです。
除梗は100%。低温マセレーションはせず、木桶とステンレスタンクを併用して醸造を行います。
木桶のほうが優っているという意識はなく、純粋に量的な問題で使い分けています。
樽熟成期間は約17ヶ月で、新樽の割合はどのアペラシオンでも15~20%と比較的少ないのも特徴です。
このような造りから、さほど色の濃度は抑えられ、口当たり柔らかく、シルキーな喉越しのワインが生まれます。
この傾向はニュイ・サン・ジョルジュのクロ・ド・ラ・マレシャルでも変わりません。
このミュニエが全面積を所有するモノポールのクリマは、2003年まで50年にわたりフェヴレに貸し出されていました。
ようやくその契約が切れ、2004年からミュニエが栽培・醸造しています。
フレデリックはクロの最北部にあるピノ・ノワールに、その根を残したままシャルドネの穂木を刺し、2005年ヴィンテージよりクロ・ド・ラ・マレシャルの白を復活させています。
香り高く、デリケートでエレガント。
当主の人柄が出たミュニエのワインは一本筋が通っています。
そんなシャンボール・ミュジニーの名手が造るワインは生産量が少なくなり、入手困難なドメーヌのひとつとなっています。