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ワイン樽 ワインに与える役目とは。

ワイン樽 ワインに与える役目とは。

コラム | 2022年11月4日 | ワインソムリエ吉間

樽熟成や樽の香りなど、ワインを飲む機会があれば、必ず出てくる“樽”
そもそも樽ってどのように造られ、どんな役目をしているのでしょうか。
実際にフランス・ボルドーの樽工場に行って観た、感想も入れながら木樽について書きたいと思います。

ボルドーの樽工場にて

“樽の種類”

まず、樽は大きく3種類あり、木製・コンクリート製・ステンレス製です。
使用するタイミングなどは様々ですが、 ステンレスやコンクリート製のタンクは密閉性が高く、香りも移さない為、ぶどう本来の風味を残しやすくなります。
木製の樽は、通気性がある為、樽の中のワインが酸化し、色・香り・味わいが深まります。

この火鉢に形成された樽を被します。

“樽の火入れ”

木樽を作る際に、熟成効果を高めるために表面に焼き入れをします。
ワインの種類によって焼き加減は変わりますが、私がボルドーで見た樽工場では、丸く形成され上下がまだ塞がれていない樽(ラグビーボールの両端がない状態)を、燃え上がる火柱にかぶせるように置き、樽の中をしっかり焦がしていました。
使うワインによって焦がし具合など注文が入るそうです。
完成した樽はラップのような透明なビニールで包まれ、世界の産地が書いた場所に分けられていました。

組み合わした樽材の接着と、火入れ中のワイン樽。コートのいる季節に半袖で作業するほど室内は高温でした。

“樽の素材・役目”

木樽の産地や素材もフレンチオークやアメリカンオークなど様々、実際に樽に形成される前に集めます。
7年~10年乾燥させてから使うそうで、樽工場の周辺には、産地と届いた年などが記載され山積みになって樽工場にありました。
ボルドーのシャトー・オーブリオンには敷地内に専門の樽技師がいて、そこでオリジナルの樽を造っていました。
ブルゴーニュでは、Piece(ピエス)と言う228リットルの樽が伝統的に使用されます。
さらに大きいものなど、産地によって様々ですが、オーク樽から、バニラやキャラメル、トーストなどの香りとタンニンが出てきます。
ワインをゆっくり熟成させ色々な香りなどでワインに複雑性を与えます。
ほんと、ワインはぶどうで造っているのに、ぶどう以外の香りや味わいが出て奥深い飲み物ですね

新樽率が高いほど、味わいに移りやすくなりますが、ぶどうのポテンシャルを考えて樽の種類や期間を生産者によって変わります。
南仏のワインで、ロマネ・コンティの古樽で造ったワインもありました。
新樽は強すぎるので、別で1年寝かしてから使う生産者も聞いたことがあります。
ワイン購入時、ワイン情報に新樽率や熟成期間などがよく載っていますので、参考にして頂ければと思います。

敷地内にびっしりと、樽に使う木材が番号を付けられて保存されています。
顔写真

シニアソムリエ 吉間 崇行

JSA認定シニアソムリエ
HRS認定1級レストランサービス技能士
HRSテーブルマナー認定講師(西洋)
元ホテル阪急インターナショナル スペシャリティレストラン 「マルメゾン」マネージャー
2016年に地元神戸にてレストラン エスピスをオープン。マネージャー兼ソムリエとして勤務。現在に至る。