ヌーヴォーとは違う。今注目の10のクリュを持つ“クリュ・デュ・ボージョレ”を解説。
コラム | 2023年5月19日 | ワインソムリエ吉間
クリマでも新たに掲載をはじめたクリュ・デュ・ボージョレ。
そもそもクリュ・デュ・ボージョレとは、ブルゴーニュの南に位置するボージョレ地区の中で、さらに選ばれた10の区画(クリュ)を指します。
今回はその特徴とボージョレ・ヌーヴォーとの違いを書きたいと思います。
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コラム | 2023年5月19日 | ワインソムリエ吉間
クリマでも新たに掲載をはじめたクリュ・デュ・ボージョレ。
そもそもクリュ・デュ・ボージョレとは、ブルゴーニュの南に位置するボージョレ地区の中で、さらに選ばれた10の区画(クリュ)を指します。
今回はその特徴とボージョレ・ヌーヴォーとの違いを書きたいと思います。
ボージョレ地区は、ブルゴーニュワインの中では、マコン地区のさらに南に位置します。
ボージョレでは、ピノ・ノワールではなくガメイ種からの赤ワインがつくられます。
日本では、11月の第3木曜日に解禁されるボージョレ・ヌーヴォーが知られていますね。
ボジョレー・ヌーヴォーが初めて商品化されたのは1951年
ちなにみ、ヌーヴォーの発売日は当初12月15日だったそうですが、もっと早く広めたい!とのことで、1985年から11月の第3木曜日になったそうです。
ボージョレ・ヌーヴォーはその年に収穫されたぶどうで造られる新酒のことで、元々はボジョレー地区でぶどうの収穫を祝うために造られていたワインでした。
今では世界各国へ広まり、日本は最大の輸出先でもあります。
’’軽やかでフルーティな赤’’が特徴のボージョレ・ヌーヴォー、それには製法にちょっとした工夫がなされているからなんです。
マセラシオン・カルボニックと呼ばれるその製法は、二酸化炭素が注入されたステンレスタンク内に破砕前のブドウをいれ、一緒に発酵させます。
これよって、通常より短期間で赤ワインの色合いを出すことができるうえ、渋みの少ないフレッシュなワインに仕上がります。
ボージョレのワインは軽すぎる?飲みごたえがないなど、感じたことがある人も多いかと思いますが、今回ご紹介するクリュ・デュ・ボージョレは、品種こそ同じですが、全く違うワインなんです。
ボージョレ地区の中でも、村名が名のれる特別な10の村がクリュ・デュ・ボージョレです。
1936年に最初のA.O.Cが成立(シルーブル・シェナ・フルーリー・モルゴン・ムーランナヴァン)しました。
いづれのクリュも北側に集中して位置していて、すぐ北はマコネ地区です。
この10のクリュは、それぞれに個性を持ちます。
10クリュの個性はクリュ・デュ・ボージョレのページに記載してます。こちら
私のイメージは、コート・ド・ニュイが北から、マルサネ、フィサン、ジュヴレ・シャンベルタン、モレ・サン・ドニ、シャンボール・ミュジニーと続き、同じブドウですがそれぞれ個性があるように。
ボージョレの格付けは、クリュ・デュ・ボージョレを頂点に、その周辺にボージョレ・ヴィラージュ、広域にボージョレがあります。
クリュ・デュ・ボージョレの中でも、最も上品でエレガントなワインが生まれるフルーリー、その中でも高く評価されている7つのリューディをプルミエ・クリュに昇格する動きもあり、今注目を集めています。
このフルーリーだけでも、栽培面積は840haあり、最も標高が高い畑は470m、150人もの生産者がいます。
以前のコラムでも書きましたが、クリュ・デュ・ボージョレの生産者のひとつ“ドメーヌ・ド・ボワシャン”のジェネラルマネージャー、アントワーヌ・ロメロ氏も、クリュ・デュ・ボージョレはヌーヴォーとは全く違うワイン。
ヌーヴォーで世界に広まったボージョレですが、
テロワールの個性、生産者のこだわり等、コート・ドールと変わらない。違いはぶどう品種のみ。
と言っています。
私も同じ考えです。
昔、ガメイ種は品質が劣る、コート・ドールにはピノ・ノワール種がテロワールを表現出来る。
そんな理由で植え替えられた歴史があります。
ボージョレ地区のテロワールには、ガメイ種が残った。
それを表現出来るのは、“クリュ・デュ・ボージョレ”です。
自然派が多く存在する、今のワインを表現する造り手のワインを是非味わってみて下さい。