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人々を魅了し続けるブルゴーニュワインにしかない特徴とは?

人々を魅了し続けるブルゴーニュワインにしかない特徴とは?

コラム | 2022年10月28日 | ワインソムリエ吉間

“ブルゴーニュ”フランスワイン産地のひとつ。世界中のワイン産地のひとつにしか過ぎないのに
なぜ、ここまでワインラバーが多いのか。
需要に対して、生産量はなぜ足りないのか。
人々を魅了し続ける理由を少し書きたいと思います。

21歳でドメーヌを起ち上げたシルヴァン・ロワシェ氏もテロワールを意識します。

“歴史”

ブルゴーニュワインにしかない特徴。
人々を魅了し続ける理由のひとつに“歴史”があります。
2000年とも言われるブルゴーニュワインの歴史。
生産者はぶどう農家であり、長い歴史を繰り返しながら、代々続く生産者が多いのが事実です。

フランス3大生産地のボルドーやシャンパーニュは、生産者がスーツや着飾った服装が多いです。
ですが、ブルゴーニュの生産者は畑仕事のまま、作業着や軽装で、土に汚れた手のままの写真ばかりです。
ぶどう農家である誇りと歴史的背景が大きくかかわっています。

歴史のコラムでも書きましたが、長い歴史の中に修道院との深い関わりがあります。
ミサ用のワインとして造られ、貧しい人々にも提供されていたワインを造ることは 生産者の服装は必然的に歴史的背景がそのまま反映されていることがわかりますね。

“増えない生産量はなぜ?”

需要に対して、生産量が増えない理由に、家族経営が多い為、ぶどうの樹を管理できる範囲が限られていることです。
また、長い歴史で細分化された畑や法律が、ぶどうの樹を増やすことを妨げます。
畑を買い足す事も困難であるのが、生産量が増えない理由のひとつです。
限られた畑の中で、より濃密なぶどうを造ってくれるので、美味しいワインが生まれるのですが、、
世界各地でみられる異常気象もかなり影響しています。
コロナ禍で収穫時に来るスタッフが来れなくなったのも原因のひとつです。
収穫は天候や時間との勝負です。

Chardonnay

“2種類のぶどう品種”

ブルゴーニュワインにしかない特徴。もうひとつに、ぶどう品種にもこだわりがあります。
赤ワインのピノ・ノワール種と、白ワインのシャルドネ種にほぼ限定し、国が動き、
長い時間をかけて分け造ったクリマ“明確に限定されて土地の区画”、
より優れた場所には“クロ”と呼ばれ、より個性のあるワイン、小さな区画では生産量の少ないワインが生まれています。
人々を魅了するのは長い歴史と、ぶどう一粒一粒を美味しく造った生産者の思いが伝わっているのではないでしょうか。

Pinot Noir

“時代に対応したぶどう品種”

また、生産される2種のぶどう品種は、世界の流行に対応してきました。
シャルドネ種は辛口でありながら、80年代のコクのあるワインの流行にもオーク樽との相性から成功するなど、白ワインの地位を確立します。

ピノ・ノワール種も、非常に繊細で栽培の難しい品種をブルゴーニュで確立させ、クリマによってひとつの品種を、バラエティ豊かに違いを出します。
同じ品種、地域なのにこれほどまで違いが出ることが、ワインラバーにとって魅力と誘惑でしかないピノ・ノワール種は長い歴史がある分だけ、 ブルゴーニュと他の地域とは別扱いになる理由ではないでしょうか。

ただ歴史が長いだけではなく、伝統を残しながらその時代にあったワインを造る。
ワインは世界中のぶどう生産者が丹精込めてつくる産物に違いはありません。
その中でも突飛して世界中の人々が求める味わい、ブルゴーニュワインを是非お楽しみ下さい。

顔写真

シニアソムリエ 吉間 崇行

JSA認定シニアソムリエ
HRS認定1級レストランサービス技能士
HRSテーブルマナー認定講師(西洋)
元ホテル阪急インターナショナル スペシャリティレストラン 「マルメゾン」マネージャー
2016年に地元神戸にてレストラン エスピスをオープン。マネージャー兼ソムリエとして勤務。現在に至る。