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ボジョレーワインの今とペアリング

ボジョレーワインの今とペアリング

コラム | 2024年4月19日 | ソムリエ吉間

先日、ボジョレーワイン勉強会に参加させてもらいました。
コンラッド東京の森本ヘッドソムリエ講師のもと、正直2時間では足りない、貴重な時間でした。
コラムを書くにあたり、ボジョレーワイン委員会ご協力のもと、資料などを頂きました。
1回ではまとめきれないのが正直な気持ち。
今のボジョレーとペアリングの話を少し書きたいと思います。

ボジョレーの大地

どうしても日本では、ボジョレー・ヌーヴォーのイメージが強く、新酒で飲みやすく、味わいが軽いイメージ。
昔は、ボジョレーワイン、クリュ・デュ・ボジョレーのワインはボーヌ・ロマネのワインより高値で取引されていました。

今のボジョレーワインは、非常にポテンシャルが高く、一言ボジョレーだけでは言い表せれないほど、様々な味わい、個性が生まれています。
きっかけになったのは、2009年から2018年にかけて、ボジョレーワイン委員会の依頼にて土壌分析の専門家がテロワールなどを研究し1万5000回以上の地質調査などを行い、 土壌の特徴を明らかにされたことにより、生産者が特徴ある区画などを全面的に打ち出せる。
それぞれの個性をアピール出来るよになりました。
それだけ地質など細かく細分化されており、本当に一言では言い表せれないワインが生まれています。

また、2018年には、ボジョレー地方における傑作した地形や地質が認められ、ユネスコ世界ジオパークに認定されています。
フランスでは7番目のジオパークだそうです。
余談ですが、日本のユネスコ世界ジオパークはご存知でしょうか。
洞爺湖有珠山、糸魚川、山陰海岸、島原半島、室戸、隠岐、阿蘇、アポイ岳、伊豆半島、白山手取川の10ヶ所です。
地形豊かな日本は多いですね。

東西で土壌が違う 複雑なコート・ド・ブルイィ

環境対策

ボジョレーは環境問題への取り組みも熱心に行っています。
5種類のエコマークもあり、1989年にブドウ保護環境対策を起ち上げています。

企業から、個人、ワインへのECOマーク。 100名が加盟するテラヴィティスはボジョレーが初のECOマーク。

花崗岩だけじゃないボジョレー

ワインを勉強する際に、土壌と同じように必ず出てくる〇〇岩。
最も出てくる石灰岩はシャンパーニュ地方やシャブリ地区に必ず出てきます。
ボジョレーと言えば、こちらも必ず出てくる花崗岩。
私がワインを勉強し始めた時も、ボジョレー = 花崗岩と覚えました。
でも、花崗岩は50%だけとのこと。今取り上げられているのは、ブルーストーンゴールデンストーン!?
聞いたことはあっても勉強してなかった分類。。

花崗岩より古いデボン紀までにつくられたブルーストーンはジュリエナス、コート・ド・ブルイィなど、深みと複雑さ、アフターに塩味が特徴。
花崗岩より新しい、貝から生まれたゴールデンストーンは、南ボジョレーにあり、ミネラル感があり、白ワインに酸味を与えます。
話を聞いてて、これはもう一度勉強しないと、、と思いました。

ボジョレー全体のテロワール。土壌の違いで色分けされています。

ボジョレーと合う料理は?

ボジョレーワインは、他のブルゴーニュワインより比較的手に入れやすく、お求めやすいワインです。
味わいも軽く飲みやすいワインが多く、ふだんワインを飲み慣れてない方にもオススメです。

では、どんな料理と合わせたらいいでしょうか。

まず、ボジョレーワインの香りですが、よく表現されるのはキャンディーの香り。
赤い果実の香りから甘く、飲みやすいフルーティな香りです。
森本ソムリエは、フランスの現地で味わった、醤油を使った料理とのマリアージュに感動したそうです。
醤油のもつ、フラネール成分の香りが、ボジョレーワインも持っておりすごく合うようです。
同行していたロンドン、スウェーデンのソムリエさんも驚いて同感したそうです。

焼鳥、バーベキューにボジョレーワインでカンパイ!!

焼鳥と? BBQに? エクレア!?

フラネオールの香りとは?
ストロベリーフラノンとも言われ、天然のいちごやパイナップルにも含まれる香りです。
ワインでは、ボジョレーワインもそうですが、ピノ・ノワールや日本のマスカット・ベーリーAにも含まれます。
フラネオールは メイラード反応と言う、糖とタンパク質が加熱して褐色する反応によって出来る香り成分。
簡単に言うとカラメルや照り焼きなど、甘みも感じてこうばしい香りにも含まれす。
ですので、焼鳥や醤油に漬け込んだ料理、タレを使った甘く香ばしい料理にも合います!
夏場のバーベキューには、少し冷やして持っていき、飲み頃にはいい温度になったボジョレーワインがオススメです!!

森本ソムリエは、チョコレートのエクレアにボジョレーワインもすごく合うと言ってました。
チョコレートの甘く香ばしい、ほんのり苦味を感じる味わいがマリアージュするとのことです。
2回食べたとのこと。デザートに赤ワインもおしゃれですね。

料理を選ばないボジョレーワイン。
ヌーヴォーだけでなく、ご家庭で、バルやビストロはもちろん、ファインダイニング(レストラン)で飲んでみるのもいいかもしれませんね。
森本ソムリエがフランスで醤油を使った料理を食べたレストランは、フルーリーにある一つ星レストラン。 どんなシチュエーションでも、実は楽しめるのがボジョレーワイン。 是非、お試しを!!

※今後、生産量4%のボジョレー・ブランも入荷予定。←これもコート・ドールと違うシャルドネでオススメです。

コンラッド東京 森本ヘッドソムリエと。ワインの表現力に圧倒されてついて行くのが必死でした。
顔写真

シニアソムリエ 吉間 崇行

JSA認定シニアソムリエ
HRS認定1級レストランサービス技能士
HRSテーブルマナー認定講師(西洋)
元ホテル阪急インターナショナル スペシャリティレストラン 「マルメゾン」マネージャー
2016年に地元神戸にてレストラン エスピスをオープン。マネージャー兼ソムリエとして勤務。現在に至る。