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ヴァンサン・ジラルダン / Vincent Girardin
ギド・デ・メイユール・ヴァン・ド・フランス2024年2つ星生産者。危機を乗り越え、濃厚スタイルからピュアでエレガントなスタイルへと変革を遂げた新生ドメーヌ。
ドメーヌ設立から30年を迎えた2012年、ワイナリーを立ち上げたヴァンサンが、体調不良と後継者の不在から、ドメーヌを手放してしまう事件が起こります。
それにより自社畑の多くを売却。
残されたのは最新の醸造設備と、わずかな自社畑、醸造家エリックを初めとする優秀なスタッフたちだけでした。幸いにも、新たなオーナーはドメーヌを買い取っただけで、運営体制は維持する形をとりました。
さらには、「ヴァンサンの右腕」とされていたエリック・ジェルマンをトップに就任させたのです。実は、ヴァンサン・ジラルダンのワインが現在のような評価を獲得したのには、エリックの功績が大きくかかわっています。
エリックは、これまでのように高品質なワインを安定して造るために、自分たちで管理する葡萄畑を増やそうと新たな試みを行ないます。
契約農家から葡萄を買い取るだけでなく、「契約農家の畑をも自分たちで管理し、葡萄を買い取る部門」を立ち上げたのです。それにより得た自社栽培の畑で、オーガニックまたはビオディナミ栽培を採用しています。
2014年には、ムルソーのプルミエ・クリュやポマールのレ・ヴォーミュリアン、村名区画など合計で4haほど手に入れることが出来ました。以降、少しずつ葡萄畑を買い足し、現在は約33haの自社所有畑・自社管理畑を持つに至っています。
こうしてネゴシアンとしてだけではなく、ドメーヌとしても復活を遂げ、今では誰もが当たり前のように行なっている「完成したワインではなく、葡萄を選んで購入し自分でワインにする」という、ネゴシアンワインメーカーの先駆者としても、これまでと同様にワイン造りを行っています。以前の、濃厚で果実味、樽の香りがしっかりしスタイルから、ピュアでエレガントなスタイルに生まれ変わったエリックが率いるヴァンサン・ジラルダンは注目のドメーヌです。
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- Vintage 2020
2020年は、最も早くに生育がはじまったヴィンテージ
冬が暖かく、自然にぶどう樹の発芽も早く確認されます。5月の霜の被害もあまり出ず、5月半ばから気温が上昇し夏になっても例年を超える暑さがより生育を早めていきます。白ワインは素晴らしいアロマ、赤ワインは濃縮感を感じられるヴィンテージです。
ピュリニー・モンラッシェ / Puligny Montracet
今や世界的な白ワインの銘醸地に数えられる村
今や世界的な白ワインの銘醸地に数えられる村ですが、歴史を振り返れば赤ワインを造っていた産地であり現在の評価が確立するのも19世紀になってからです。
栽培地域は南北に約1.5kmと狭いのに対し、標高が230~380mと高低差があります。南北に伸びるラッシュ山、東向き斜面の南側4分の1がグラン・クリュ、北側4分の3がプルミエ・クリュの畑があります。モンラッシェとバタール・モンラッシェは隣のシャサーニュ・モンラッシェ村にも広がっています。土壌は粘土質と泥質の表土は、上部では石灰質が強くなり、下部では粘土質が強くなります。レジョナルは斜面下の東側で平地がほとんどで砂利が多い土壌です。
地下水層が近いため、地下深いカーヴが無かったため、ワインを貯蔵出来ず、ドメーヌ元詰めが一般化するのが他の地域より遅かったのも特徴です。現在は白ワインが99%で若干の赤ワインもあります。