デュジャック / Dujac
ギド・デ・メイユール・ヴァン・ド・フランス2025年で3つ星に昇格。今や稀少生産者のひとつ。進化し続けるモレ・サン・ドニを代表する大ドメーヌ。
モレ・サン・ドニと言えば“デュジャック”が必ず出てくる生産者ですが、その歴史はまだ半世紀あまり。
創設者のベルギー出身ジャック・セイスは、設立前に2年ほどブルゴーニュで過ごし、
ジェラール・ポテルの元、ドメーヌ・プス・ドールでワイン造りを学びました。その間に、DRCのオベール・ド・ヴィレーヌやアルマン・ルソーのシャルル・ルソーたちと親交を深め、
1968年に4.5haの畑を買取、自らの名前ジャックをもじって、ドメーヌをスタートさせます。現在、息子のジュレミーとアレックがそれぞれ醸造と販売を担当し、実質ドメーヌを引き継いでいます。
2000年に息子ジュレミーが父のサポートのもとで、ネゴシアンビジネスをスタート。
“デュジャク・フィス・エ・ペール” フェス・エ・ペールは子父の意味。
通常逆のペール・エ・フィスが多いが、デュジャックのネゴシアン業は息子が中心の為、逆になっています。2005年にヴォルネイのドメーヌ・ド・モンティーユと共同でトマ・モワイヤールを買収。
さらにシャンベルタンやロマネ・サン・ヴィヴァンなどが増えて、グラン・クリュだけで7つ持っています。
ボンヌ・マールやヴォーヌ・ロマネ1級のボーモンは面積を増やしつつ、最高峰の1級マルコンソールも新たに1.57haという
広い面積も所有しています。栽培では1987年からリュット・レゾネをとり、2001年からは徐々にビオロジックへと移行。現在はビオディナミ農法を大半の畑で採用している。
コート・ド・ニュイでは珍しい白ワインの造り手でもあり、モレ・サン・ドニ・ブランや1級モン・リュイザンも2000年からリリースしています。
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ジャック時代は、完全無除梗による全房醸造で、梗が色素を吸収するため比較的淡い色合いでしたが、
ジュレミーになってからはヴィンテージによって除梗率を柔軟に変更し、以前より色合いはしっかり、香りと果実味はそのまま充実したワインが生まれています。
- Vintage 2022
2022年は、生産者に笑顔が戻ったヴィンテージ。
2022年も4月3日から数日発生した霜の被害は出たものの、前年や2016年のような壊滅的な被害は免れたようです。
全体的にも霜と病害で収穫量が激減した2021年よりは好転しました。
5月末に開花が始まり、平均気温が過去の月平均を3℃上回り天候が良好、日本と同じで、6月の猛烈な暑さで干ばつの恐れが懸念されています。
暑い夏は病害の発生はなく、8月中旬の雨がブドウの樹に潤いを耐えて、偉大な1959年に匹敵するとも言われています。
数年、量の少ない年が続いたこともあり、2022年は生産者みなに笑顔が戻った年に。
モレ・サン・ドニ / Morey Saint Denis
個性豊かな村に挟まれた小さな村。グラン・クリュが3割を占めた隠れた銘醸地。
南北に広がるコート・ド・ニュイ地区のほぼ中心に位置する村です。
中世から評価が高かった村ですが、2つの有名な村に挟まれ、原産地呼称制度が出来る前は、その2つの村名でワインが販売されていました。修道院や領主が発展させた畑が多く、当時の名前のクリマも残っています。栽培区域の標高は250~350mでグラン・クリュは県道の西側、東向き斜面の中腹に位置します。
小さな村ですが、グラン・クリュの栽培面積の割合が多く、プルミエ・クリュ畑はひとつひとつが小さいのが特徴です。土壌はジュラ紀中期の石灰岩、粘土石灰岩が広がり、村の下方の斜面は、泥灰岩が多くなります。