大きく5つに分かれるブルゴーニュワイン
それぞれの特徴が出ているワインをチョイスしました。
どのワインもチーズやお肉、お魚料理までジャンルを問わず楽しんで頂けるワインたちです。
ジャン・マルク・ブロカール / Jean Marc Brocard
ギド・デ・メイユール・ヴァン・ド・フランス2024年掲載生産者。ラベルにてんとう虫。自然派のシャブリ生産者。
1973年、0.3ha から始まった「ジャン・マルク・ブロカール」。
現在、所有する自社畑は 200ha まで増え、 家族経営のドメーヌとしては広大な畑です。シャブリには大規模生産者が多いが、その多くが 1970 年後半の AOC 拡張時に広がった「ポルトラン ディアン土壌」の畑を所有しています。
生産者ページはこちら
ジャン・マルク・ブロカールは北部「ポルトランディアン土壌」ではなく南部のプレイ村に醸造所を構え、その周辺のキンメリジャン土壌のみに畑を所有しています。ジョルジュ・リニエ / Georges Lignier
モレ・サン・ドニを代表するリニエ一族のひとり。若いうちから飲みやすく、熟成してもフレッシュ感を保つピュアなワインを造る生産者。
モレ・サン・ドニを代表するドメーヌで、ユベール・リニエとは従兄弟にあたります。
数世代にわたりモレ・サン・ドニを拠点に17のアペラシオンの畑を所有しています。
2013年には、2002年からドメーヌに参画しているジョルジュの甥ブノワ・ステリが全体を任され、クラシックでありながらエレガントさを残したワインを造っています。
歴史ある家族経営の為、樹齢の古いヴィエイユ・ヴィーニュにも恵まれ、2012年以降は除草を行わず、土壌の特徴を最大限に引き出す栽培方法を行っています。
生産者ページはこちら
ピノ・ノワールの繊細さとピュアなフレッシュ感を大切に心掛けており、若いうちから楽しめる。
かつ、熟成してもフレッシュ感を保てるワインです。ニュダン / Nudant
様々なワインを造り上げるラドワ・セリニの老舗ドメーヌ。
ラドワ・セリニに代々続く造り手で、18世紀半ばには、ラドワにぶどう畑を広げており、現在は、ジャン・ルネとその息子ギョームがコート・ド・ニュイとコート・ド・ボーヌにある16haの畑を耕作し、20を超えるアペラシオンのワインを醸造しています。
ぶどう栽培はリュット・レゾネで科学合成肥料を使わず、除草剤の使用も控えています。
生産者ページはこちら
赤ワインは100%除梗で低温マセレーションの後、時間をかけてアルコール発酵、さらにピジャージュをすることで、ぶどう成分を抽出します。
樽熟成はピジャージュし、だいたい毎年3分の1の樽を新品と入れ替えるなどしています。ミア / Mia
ギド・デ・メイユール・ヴァン・ド・フランス2024年掲載生産者。女性オーナーと最高峰醸造家ダヴィッド・デュバンが手掛けるコート・シャロネーズのドメーヌ。
1860年から歴史のあるドメーヌ・ミア。
コート・シャロネーズで最も大きな農園のひとつです。
ドメーヌのオーナーはミア・スボティック女史で、醸造部門を統括するのは、最高峰のワイン醸造家と言われるダヴィッド・デュバンです。
彼が来てから飛躍的に進化し、この地で最も注目されるドメーヌとなりました。昔は一般的に行われていた“全房仕込み”に回帰、ワインに加える亜硫酸塩の量をごくごく僅かにすることによって、果実味本来のアロマを表現出来るよにしています。
生産者ページはこちら
ビオディナミ栽培を行い、ニュイ・サン・ジョルジュにある自社の地下セラーで醸造、フレンチオーク樽で熟成させています。アンドレ・ボノム / Andre Bonhomme
ギド・デ・メイユール・ヴァン・ド・フランス2024年新規掲載ドメーヌ。フルーティかつ複雑性をもったスタイルで、星付きレストランにも採用されるマコンのスペシャリスト。
1956年、現当主オレリアン・パルテの祖父アンドレ・ボノムがヴィレ・クレッセにてわずか4haのドメーヌを設立しました。
当時のマコンやヴィレはカジュアルワインの生産地で、質の良いワインの生産地とは認識されていませんでした。ボノム家もドメーヌを設立する前はブドウをワイン醸造組合に販売して生計を立てていましたが、アンドレは早くから樽熟成や出荷前の熟成期間を長く取るなど、マコン元来のフルーティーなスタイルに複雑味を持たせるという当時では稀な、より高品質なワイン造りを試みました。
これにより注目を浴び、星付きレストランから声がかかるようになり、少規模生産者ながら優良なマコン・ヴィレの生産者として知られることとなりました。
現在は3代目孫にあたるオレリアン・パルテが2008年から指揮をふるいます。
収穫はヴィレの中でも遅い方で、これは初代から続く伝統です。
多くの生産者が、果実の酸が落ちるのを恐れて糖度が上がりきらない12~12.5度あたりで収穫しますが、ここでは13~13.5度までじっくり上がるのを待ちます。
酸度と糖度の見極め、収穫タイミングを重要に考えています。
収穫は100%手摘みで行っており、これはヴィレ・クレッセの30~50あるドメーヌの中でわずか3軒のみだそうです。
機械摘みでは一房毎に細かくチェックすることが難しく実が潰れてしまうこともあるので、やはり手摘みが最善と考えており、ぶどう一粒に対する想いが伝わってきます。また、’’樹齢が高ければ高いほどよいぶどうの実をつける’’という祖父の教えのもと、ドメーヌ設立以来植え替えは行っておらず、樹齢の高さも味わいに反映されています。
発酵は天然酵母でステンレスタンク中心ですが、キュヴェにより木樽を入れることもあり、使用率、熟成期間はキュヴェ毎に毎回変わります。
それ以外はあまり大きな変化を付けずに区画ごとの個性がはっきりと表現されるようにしています。いまやマコン・ヴィレのスペシャリストとして名高いアンドレ・ボノムのワインをぜひご賞味ください。
生産者ページはこちら
2021年は、自然の猛威に苦しんだ中の光あるヴィンテージ
ブルゴーニュ地方のぶどうへの病気等は想像以上に厳しい現実になりました。
暖冬で芽が出始め、4月前半の霜の被害、6月にあった大きな雹の嵐、夏の雨が多くミルデューが広がってしまい、9月の時点でこれほどぶどうの実がなっていないのは初めてとも言われ、ここ44年来の低収穫量になりました。ただ、この状況化で生き抜いたぶどうの品質はアロマ・糖度は申し分なく低収量ですが、最高のヴィンテージになるとの期待があります。
2020年は、最も早くに生育がはじまったヴィンテージ
冬が暖かく、自然にぶどう樹の発芽も早く確認されます。5月の霜の被害もあまり出ず、5月半ばから気温が上昇し夏になっても例年を超える暑さがより生育を早めていきます。白ワインは素晴らしいアロマ、赤ワインは濃縮感を感じられるヴィンテージです。
シャブリ / Chablis
辛口の代名詞として、不滅の名声を勝ち取った産地
パリから2時間、パリとボーヌの中間にあるヨンヌ県の都市オーセールの近郊に広がる産地で、スラン川を挟み両岸にシャブリの畑が広がるブルゴーニュ地方の中では最北の位置です。
シャブリは2600人ほどの小さな街の名前でもあり、れっきとした原産地呼称AOCでもあります。
辛口の代名詞と言われるシャブリですが、1億5000万年以上前のジュラ紀後期のキンメリッジ階の粘土石灰質土壌と、チトヌス階と言われる白く硬い石灰岩土壌で、キンメリッジ階は小さな牡蠣の欠片など、海の中だった事を示します。
キリッとミネラル豊かなワインが生まれ、ぶどうはシャルドネ種。不滅の名声を得た地域です。シャブリと言っても様々なワインがあり、一言で辛口だけでは言い表せない地域になっています。
モレ・サン・ドニ / Morey Saint Denis
個性豊かな村に挟まれた小さな村。グラン・クリュが3割を占めた隠れた銘醸地。
南北に広がるコート・ド・ニュイ地区のほぼ中心に位置する村です。
中世から評価が高かった村ですが、2つの有名な村に挟まれ、原産地呼称制度が出来る前は、その2つの村名でワインが販売されていました。修道院や領主が発展させた畑が多く、当時の名前のクリマも残っています。栽培区域の標高は250~350mでグラン・クリュは県道の西側、東向き斜面の中腹に位置します。
小さな村ですが、グラン・クリュの栽培面積の割合が多く、プルミエ・クリュ畑はひとつひとつが小さいのが特徴です。土壌はジュラ紀中期の石灰岩、粘土石灰岩が広がり、村の下方の斜面は、泥灰岩が多くなります。
ラドワ・セリニィ / Ladoix Serrigny
コート・ド・ボーヌに入って最初の村がラドワ・セリニ。
アペラシオン表記はラドワとなります。かつての村落が2つ纏まって出来たのが名前の由来で、セリエが平地に、ラドワがコルトン丘陵の麓に位置します。
アロース・コルトンとペルナン・ヴェルジュレスの3村の1つで、コート・ド・ボーヌで唯一の赤ワイングラン・クリュのコルトンと白ワインのコルトン・シャルルマーニュを保有していますが、比較的隠れた産地です。
東向きの畑が多く、温暖なエリアの為、果実味や厚みのあるワインが多く存在します。メルキュレ / Merucurey
コート・シャロネーズ最大の面積、主に赤ワインを生産するアペラシオン。
名前は貿易と商業を司る神(メルクリウス、英語名マーキュリー)を祀ったローマ時代の寺院に由来します。
コート・シャロネーズの代わりにメルキュレ地区と言われていた時代もあり、この地区の中ではメルキュレの赤ワインは評価の高いワインが数多くあります。
コート・シャロネーズ最大の面積があり、主に赤ワインを生産し、白・赤のプルミエ・クリュが存在します。ヴィレ・クレッセ / Vire Clesse
2つの村から生まれる新しいシャルドネの産地
ヴィレとクレッセの2つの村を中心とした南北に広がる丘陵地に広がります。
A.O.Cマコン・ヴィラージュの中から独立したコミュナルで1999年2月26日から認められています。2018年4月26日から規定が厳しくなり、残糖4g/l~8g/l未満にはDemi-Sec、8g/l~18g/l以下にはLevourteとヴィレ・クレッセの後に表記することが定められています。
ルヴルーテは熟成期間が2年目の2月1日までは少なくても収穫から熟成させることが定められています。