ミッシェル・グロ / Michel Gros
名家のグロ家、父から長男に引き継がれたドメーヌ。
グロ家の歴史は1804年に生まれたアルフォンス・グロ氏から始まります。
父ジャン・グロが1995年に引退後は、3人の子供が分割相続、長男ミッシェルが1970年より父とワイン造りを続け、現在もモノポールの「クロ・デ・レア」をはじめワインを造りづづけています。赤ワインの醸造は手摘みで収穫後、ブドウ畑の中で選果。3~6人の摘み取り人に対しひとりの選果人をつけます。醸造所に運ばれたブドウは100%除梗。
1996年以降、ドメーヌでは補糖を一切せず、万が一、熟度が足りない場合にはエントロピー・エヴァポレーターを用いて果汁を濃縮させます。
自生酵母による万が一のトラブルを好まないミシェルは、培養酵母を用いてアルコール発酵を行い、発酵の前半で朝と夜にルモンタージュ、後半は1日2回ピジャージュによって抽出します。ブルゴーニュ・ルージュとブルゴーニュ・オート・コート・ド・ニュイの樽熟成は、最初の6ヶ月を大樽で行い、その後、1~3年使用した小樽に移して12ヶ月続けます。
村名以上は小樽で18ヶ月、翌々年の4月に樽からワインを引き出し、アペラシオンごとに一つのタンクに納めます。
清澄作業を行い寝かし、8月末に瓶詰めされます。
新樽率はアペラシオンごとに異なり、村名で30~40%、1級で50~80%、特級のクロ・ヴージョで100%です。ミシェル・グロのワインは濃いめの色調をもち、果実味が前面に出て、オークの香ばしいフレーバーが豊かに香るタイプです。
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しかしながら、アペラシオンごとのテロワールはそのテクスチャーの中にきちんと表現され、ニュイは力強く、ヴォーヌは気品があり、シャンボールはシルキーです。
- Vintage 2022
2022年は、生産者に笑顔が戻ったヴィンテージ。
2022年も4月3日から数日発生した霜の被害は出たものの、前年や2016年のような壊滅的な被害は免れたようです。
全体的にも霜と病害で収穫量が激減した2021年よりは好転しました。
5月末に開花が始まり、平均気温が過去の月平均を3℃上回り天候が良好、日本と同じで、6月の猛烈な暑さで干ばつの恐れが懸念されています。
暑い夏は病害の発生はなく、8月中旬の雨がブドウの樹に潤いを耐えて、偉大な1959年に匹敵するとも言われています。
数年、量の少ない年が続いたこともあり、2022年は生産者みなに笑顔が戻った年に。
シャンボール・ミュジニー / Chambolle Musigny
コート・ド・ニュイで最も繊細でエレガントな赤ワインの産地。
人口わずか300人あまりの小さな集落の背後に石灰岩が剥き出しになった白く切り立った背斜谷が目立ち、北は男性的、南は女性的など、同じ村の中でワインの味わいにしっかり違いが出る地域でもあります。
栽培地域の標高は250~350m、南北の両端にグラン・クリュが広がるエリアで、プルミエ・クリュは2つのグラン・クリュに挟まえた斜面の中央部、コミュナルは丘陵下部と、丘陵上部の険しい斜面に広がります。土壌は背斜谷で形成された石灰岩の上に、蓄積物として小石や粘土とロームで表土が出来ています。
プルミエ・クリュのグリュアンシェールあたりを境で、北部は粘土質が多く、南部は砂利が多くなります。